プロンテラよ、 7/3 20:01 UP
大学生の頃、ひとり暮らしの家に帰ると、まずすることは……
パソコンの電源を入れること
でした。
カタカタカタカタカタ……
「帰ってきた〜! ただいま! 今日どこ行く? とりあえず、お風呂入ってくる〜。afk」
帰ってくるなり、そんな会話をしていました。ネットゲーム上で。
今思うと、いやお風呂入ってからパソコンつけなさい、とか、パソコンの前でごはん食べないの!とか思うことは色々あるのですが、貴重な10代に、なんと堕落した生活を……。(学校はちゃんと行っていましたが)
そんなウン十年前のネットゲームに、好奇心から復帰してみました。今でもサービスが続いていたことにびっくりですが、私がプレイヤーだった頃とは、なにもかもが違ってビックリでした。
もちろん、当時の友人なんてものはもういませんので、ひとりであちこち彷徨っているだけですが、それでも時折、耳に届く「どこ行く?」「手伝おっか?」「ちょww運使い果たしたwwww」 そんな、見知らぬひとたちの会話が懐かしい。そうそう、ネットゲームっていうのはこういうのでいいんだよ……。
あの頃。学校がイヤだったわけでもないし、なにか特別おおきな不満があったわけではなかったけれど、ひとり暮らしをはじめたばかりで『なんとなくさみしい』という気持ちを抱えていた私は、ネットゲームにどっぷり浸かっておりました。
まあ、年齢があがった今でも、ソシャゲやら据え置き機やらでゲーム自体は続けているので、ゲームのなかで熱中するカテゴリーが変わっただけ感もありますが……。
ゲームをつければ、そこには誰かがいる。仲良しのあの子の、本名も、住所も、年齢さえも知らない。男なのか、女なのかもわからない。けれど、たしかに、そこには笑ったり、悲しんだり、恋したり、現実と同じような人間の営みがあって、得体のしれぬ寂しさや不安を抱えたもの同士、強固なコミュニティを作っていました。現実の自分を守るための、シェルターみたいな。
ひとり寂しい夜に「誰か!」と叫び出したくなりはするけれど、他人と深く関わり合うほどの勇気はない。現実で他人と関わると、嬉しいこともたくさんあるけど、傷つくことも増える。ネットゲームの画面越しにいる相手は、自分のことをなにも知らないけれど、現実の自分のことを詳しく知らない相手だからこそ、素直になれたり、飾らない自分でいられたり……あの頃、ゲームの中は、間違いなくもうひとつの現実だった、ような気がします。
ネットゲーム全盛期に、私と似たような生活をしていた諸君たちなら、きっと、わかってくれるはず……?
ゲーム内で「僕の貯金は○○○円です。前向きにご検討ください。本気です」と現実世界での求婚をされたり、仲間内で謎の三角関係ができあがって泥沼になったり、ゲーム内では全員女の子キャラなのにオフ会してみたら9割男の子だったり……なんにも得られなかったようで、今思い出しても懐かしさに頬が緩む、なにか大事なものがそこにあった、そんな時代だったなあ。私も歳を取りました……。
さすがにこの年齢になると、そこまでどっぷりのめり込むことも難しそうなので、完全なるエンジョイ勢ですが、しばらく楽しもうと思います
菅原ほの
パソコンの電源を入れること
でした。
カタカタカタカタカタ……
「帰ってきた〜! ただいま! 今日どこ行く? とりあえず、お風呂入ってくる〜。afk」
帰ってくるなり、そんな会話をしていました。ネットゲーム上で。
今思うと、いやお風呂入ってからパソコンつけなさい、とか、パソコンの前でごはん食べないの!とか思うことは色々あるのですが、貴重な10代に、なんと堕落した生活を……。(学校はちゃんと行っていましたが)
そんなウン十年前のネットゲームに、好奇心から復帰してみました。今でもサービスが続いていたことにびっくりですが、私がプレイヤーだった頃とは、なにもかもが違ってビックリでした。
もちろん、当時の友人なんてものはもういませんので、ひとりであちこち彷徨っているだけですが、それでも時折、耳に届く「どこ行く?」「手伝おっか?」「ちょww運使い果たしたwwww」 そんな、見知らぬひとたちの会話が懐かしい。そうそう、ネットゲームっていうのはこういうのでいいんだよ……。
あの頃。学校がイヤだったわけでもないし、なにか特別おおきな不満があったわけではなかったけれど、ひとり暮らしをはじめたばかりで『なんとなくさみしい』という気持ちを抱えていた私は、ネットゲームにどっぷり浸かっておりました。
まあ、年齢があがった今でも、ソシャゲやら据え置き機やらでゲーム自体は続けているので、ゲームのなかで熱中するカテゴリーが変わっただけ感もありますが……。
ゲームをつければ、そこには誰かがいる。仲良しのあの子の、本名も、住所も、年齢さえも知らない。男なのか、女なのかもわからない。けれど、たしかに、そこには笑ったり、悲しんだり、恋したり、現実と同じような人間の営みがあって、得体のしれぬ寂しさや不安を抱えたもの同士、強固なコミュニティを作っていました。現実の自分を守るための、シェルターみたいな。
ひとり寂しい夜に「誰か!」と叫び出したくなりはするけれど、他人と深く関わり合うほどの勇気はない。現実で他人と関わると、嬉しいこともたくさんあるけど、傷つくことも増える。ネットゲームの画面越しにいる相手は、自分のことをなにも知らないけれど、現実の自分のことを詳しく知らない相手だからこそ、素直になれたり、飾らない自分でいられたり……あの頃、ゲームの中は、間違いなくもうひとつの現実だった、ような気がします。
ネットゲーム全盛期に、私と似たような生活をしていた諸君たちなら、きっと、わかってくれるはず……?
ゲーム内で「僕の貯金は○○○円です。前向きにご検討ください。本気です」と現実世界での求婚をされたり、仲間内で謎の三角関係ができあがって泥沼になったり、ゲーム内では全員女の子キャラなのにオフ会してみたら9割男の子だったり……なんにも得られなかったようで、今思い出しても懐かしさに頬が緩む、なにか大事なものがそこにあった、そんな時代だったなあ。私も歳を取りました……。
さすがにこの年齢になると、そこまでどっぷりのめり込むことも難しそうなので、完全なるエンジョイ勢ですが、しばらく楽しもうと思います
菅原ほの